2016年5月11日水曜日

SEL2470GM + a7Riiでオーロラ撮影

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 2016年2月に発表されたソニーFEマウント待望の大口径標準ズームレンズSEL2470GMを使ったテストです。

 第一印象では『開放から相当シャープに解像する』レンズであること。そして、手ぶれ補正がないことへの少しばかりの驚きと、光学性能を追求したのであろうことは想像していたものの、それを考慮すると思ったより許容範囲内のボディサイズだ、という印象を持ちました。
 何より、「おお~、とうとう出たか」と、いささか興奮もしました。

 今回の渡航の大きな目的はLive!オーロラの新システムをアラスカでテストすることであったため、SEL2470GMの十分なテストはできなかったですが、とりあえず簡単ですがα7Riiと共に作例とコメントをどうぞ。 渡航中は非常に活発なオーロラが観られましたが、Live!オーロラ・システムテストに夢中で、なかなかベストな瞬間をこのレンズで撮れませんでしたが、総じてとても良く写るレンズです。


a7Rii + SEL2470GM APS-Cモード 24mm (換算36mm) F2.8 露光時間10秒 ISO1000
いきなりAPS-Cモードの作例ですが、a7Riiはスーパー35mm(APS-C相当)での4K動画撮影も売りであるため、現場では4K撮影に備えた設定にしてあることが多かったです。この作例は、そうした理由からです。
 広角端+開放でも周辺までしっかり解像しています。ソニーが気合を入れて設計したレンズの中心部を使った撮影なので、そりゃそうでしょう。 この作例はCaptureOneにて主にダイナミックレンジ補正をかけていますが、a7Riiのダイナミックレンジ性能の高さは相当使えそうですね。
 何より、“非常にヌケの良い画”が出てくるので、凍てついた空気感が伝わってくるようです。


a7Rii + SEL2470GM APS-Cモード 24mm (換算36mm) F2.8 露光時間10秒 ISO1000

 オーロラ写真は、カメラのホワイトバランスを変えるだけで印象がガラッとかわります。僕はライブ中継がメインなので、肉眼視を意識した設定をしますが、ここまでヌケが良いと、肉眼視よりも臨場感がある撮り方ができるかもしれません。


a7Rii + SEL2470GM  24mmF2.8 露光時間6秒 ISO1000
最近のデジタルカメラはハイ・コントラストでシャープな画が好まれているようですが、このカメラとレンズの組み合わせは、撮って出しでもパシャンと簡単にそんな画が出てきます。


上の写真中、Live!オーロラ・観測ドーム部分の拡大。 ドーム内に鎮座するα7sの様子も。いやはや、さらなる高解像度化が一般市場にも広がっていくのでしょうけど、凄い時代になったものです。


a7Rii + SEL2470GM  24mmF2.8 露光時間6秒 ISO1000
観測所に向かう途中、オーロラが出てきたので慌ててパシャリと。 現地はもっと真っ暗で極寒でしたので、セッティングが大変でした。 
 また、これは超高解像度なα7Rii+レンズの組み合わせによるところが大きいですが、このレンズには距離計がないので、星のような小さな光源にMFでピンを合わせるときには苦労することが多いです。
 この時はピン合わせの作業が一番大変でした。α7Riiクラスの高解像度になると、モニターでの拡大倍率では、星の光源を捉えるのが難しいですね。
 レンズに距離計があれば事前にピンを決めて、テープ固定できるのですが・・・。 まあ、動画撮影やAFの高速性を考えると仕方がないのかな。

 この悩みへの追記ですが、α7シリーズはMF設定にしておけば電源OFF-ON時に以前のフォーカス位置がメモリーされるようです。なので、余計なフォーカスリングの操作がないように、事前に位置決めしてからテープを固定するという手法はとれそうですね。 (ただし、直前に他のレンズを使ったり、AFにするとメモリーが変わってしまいます。→ここの運用方法はソニーさんへ今後の要望として)

a7Rii + SEL2470GM  24mmF2.8 露光時間1.6秒 ISO1250

オーロラの撮影で意外と難しいのが、この写真のように明るいオーロラ以外にも空一面に淡いオーロラが広がった時、全体的なコントラストが低くなることです。こうなると暗い星明かりなんかはオーロラに消されてしまいますしね。 こういう時は構図やレンズの焦点距離を変えながら(ぐっと広角にしちゃうなど)工夫が必要だと思います。



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簡単ですが、ボケ味もどうぞ

 個人的にも仕事でも、あまりボケは使いませんが、ボケこそ“Bokeh”と英語読みされるように、日本から広がった写真文化の一つらしいです。 この独特な味は暖かみを与えてくれますが、超高解像度な世界に突入してくると、ボケに引き立てられた被写体の立体感が生み出す"臨場・没入感”が増すため、今後も重要な味になってきそうです。

a7Rii + SEL2470GM 70mm f2.8 ISO3200 露光時間1/30秒
いや~、素晴らしいですね。 煩くなく、まさに、とろけるようなボケ味です。


a7Rii + SEL2470GM 70mm f5 ISO6400 露光時間1/30秒

a7Rii + SEL2470GM 45mm f2.8 ISO2000 露光時間1/30秒

a7Rii + SEL2470GM  46mm f2.8 ISO1600 露光時間1/30秒

  本当にヌケが良いレンズなので、フォーカスポイントが、ビシャン!と伝わる切れ味です。こうした撮影はあまりしないのですが、位置決めからレリーズまで対した工夫はしていません。「犬の目に合わせよっと」と、簡単に撮ってもこんな感じです。


このテスト時には、a7Riiの他、各社の代表的なミラーレスカメラも検証のために現地に持っていった。 メカ・マニアにはたまらん様子ですね(笑)
古賀祐三

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2016年3月27日日曜日

横浜みなとみらい 『Live!オーロラ専用ドーム』 ロングランを終えて

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 Live!オーロラ10シーズン目、横浜みなとみらいで自然体感型アミューズメント施設を運営するSEGAさんから、ドーム空間を使ったLive!オーロラ展示の打診をいただきました。
 話を聞くと、2015年12月18日から2016年2月29日まで、大晦日以外、毎日専用ドームで上映したいとのこと。これまでのドーム上映のロングランは2010-2011年に行った山梨県立科学館プラネタリウムドームでの8ヶ月間上映が最長でしたが、その時は週末限定(1回あたり60分)でしたので、毎日上映という事を考慮するとドーム上映では最長の期間です。しかも、今回は専用ドーム、なかなか楽しみな企画です。



横浜みなとみらい
夜景の美しさは誰もが知ることですが、この一角でアラスカの本物のオーロラが体感できるということ、美や感動というものは対比するものが必要なのかもしれません。




紆余曲折ありましたが、「Live!オーロラ」の名をタイトル名に使いたいとのご要望を請け、承諾させていただきました。ただ、こうなると「Live!オーロラ」名での企画になったので、主催のSEGAさんと協力しながら、12月18日公開後から年内いっぱいは、会場に何度も出向き、会場内の品質向上に出来る限り努めました。(気持ちが良い年を迎えたかった)

 訪れていただく皆さんに、出来る限り本物の素晴らしさを体感してもらいたい。Live!オーロラでずっと抱いているコンセプトです。




みなとみらい横浜の一角、三菱地所のマークイズみなとみらい5Fには、SEGAとBBCが運営する自然体感型アミューズメント施設「オービィ横浜」があり、その一角に特設会場が設けられました。




写真家の作品展示と共に、Live!オーロラを体感できる特設ドームが2つ。Live!オーロラは今回はドーム内映像(ライブ・収録)だけを担当することになっていましたが、諸々と皆さんで作り上げた会場設備になりました。




2ヶ月半の展示企画で、後半に向けてどんどん口コミでご来場者が増え、結局行列も見られることができました。会場運営をされていたSEGAさんの円滑な運営方法の工夫には感銘を受けました。





ドームの中はこんな感じ!
寝転びながらリアルタイムのオーロラを体感できる。素晴らしい企画です。2010年からドーム中継はずっと続けていますが、毎日体感できる専用ドームとしては初めてです。にカップル達が幸せそうに寄り添っている姿にはこっちまで顔がほころびました。





良いですねー、
ただ、ドームのクオリティとしては、映像を綺麗に上映するだけの品質ではありませんでした。上映用のプロジェクターもしかり、こうした企画は、やる度に課題が明確になるので、さらなるモチベーションにつながります。


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 昨シーズンからシステムに導入を始めたソニー機が増え始め、Live!オーロラでは相変わらず機器を酷使するのでプロサポートを受けることにしました。 ストラップの質感が良い感じです。
 手持ちのレンズは相変わらず超広角系ばかりですが(笑)

古賀祐三



2016年2月12日金曜日

α7シリーズのグリップ感向上には、L型ブラケット

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 α7シリーズの小型フルサイズカメラは、鞄に放り込んでおけるサイズ感が素晴らしいわけですが、どうしてもグリップ感が心もとないです。
 仕事で使うときはグリップ感も大切ですが、性能・機能を優先にしているのであまり気にしていませんでしたが、趣味でスナップ等をバシャバシャ撮影するときは、「グリップ感=所有欲・快感」につながるものだなあと思っています。ニコンのD700も個人で使っていますが、ガシっと掴めるグリップやレフ機ならではの軽快なシャッター操作は、「やはりいいなー」と思わせるだけの完成度を感じて、「結局レフ機かあ・・・・しかし大きいなあ」との堂々巡りなわけです。

 じゃあ、α7のグリップ感を改善すれば良いじゃん。というわけで策を考えたのですが、縦位置グリップはサイズが大きすぎるし、デザインもなんだか格好悪い。というわけでL型ブラケットを装着してみたら、これがまた素晴らしい。

Minolta MD 50mm F1.7 で撮影(F5.6) 。40年前のレンズながら、なかなか綺麗にボケてくれるし、中心部分の解像感も良い感じ♪(丸ボケにならないのはご愛嬌)

 グリップ時、小指ががっしりかけられて、一気に「持つ喜び、撮影したい欲求」が大きくなりました。市販されているサードパーティ製のL型ブラケットの多くが金属加工と、それなりの重量があるので、カメラ全体も重くなるのはデメリットですが、それを越えるグリップ性の向上があります。
 上の写真はα7sにFEマウントの中では小型軽量なSEL28F20を装着している様子ですが、大型のズームレンズ等をつけた時には、特にその効果を感じられるでしょう。

 はい、バランス良好です。左手をカメラ底面に添えた時も良い感じで、むしろ、元々この形状の方がプロダクト・デザイン上でも良いのでは?と思いますが、いかがでしょう。
 何より、カメラを手にした時の「お、いいんでないかい?」という印象が変わります。それだけで撮影に行こう!という気にさせられるものです。

 ソニーと言えばVAIOを作っていましたが、そのVAIOに拡張シートバッテリーなる、ノートPCの底面に装着する薄型バッテリーシートを販売していたことがあります。
 そのシートバッテリーのコンセプトをL型ブラケットに活かした製品を作ってみてはどうでしょうかね。バッテリーは汎用品ではなく埋め込みでも構わないと思います。(シートバッテリー装着中でもUSB給・充電もできたら尚良し)既存の縦位置グリップは大きすぎますし、連射性能が上がるなどカメラ性能の向上があまりない割には高価で重すぎます。
 まあソニーさんじゃなくても、サードパーティ製でも良いので、そんな素敵な製品をどこかが作ってくれたらなあと。

古賀

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