2010年5月18日火曜日

科学ジャーナリスト賞2010

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今晩はJASTJ主催 科学ジャーナリスト賞2010の授賞式でした。

白川英樹博士も相変わらず背筋がピンと伸びてお元気でした。
今年の大賞はNHKの番組制作チーム。
NHK番組 「素数の魔力に囚(とら)われた人々~リーマン予想・天才たちの150年の闘い」
このJASTJの会合は、経営に忙しすぎて顔を出せないことが多いので、隅でひっそりしていましたが、小出五郎さんや佐藤年緒さん、事務局のみなさんとご挨拶できる少ない機会。若輩者なのでこういうときはしっかりと挨拶や近況報告をいたしました。
会場の日本プレスセンタービルは11年前に会社員から独立した後、初めていただいた大きな仕事がこのビルに入居していた企業からでした。

さて、ここ数年、自宅のTVが故障したことから、家でテレビを観る機会がなくなった(家に帰っても気絶状態で寝てしまうが)ことから、この番組も観ていませんでした。
会場ではオープニングを少しだけ放送していましたが、これは面白そうです。
サイエンスの難解さや科学者のある意味浮世離れしたイメージを、番組演出で逆に身近に感じさせるものがあるようです。

2005年頃から文部科学省が中心となって推進している科学技術コミュニケーションの関連プロジェクトは、いろいろな形、一方でいろいろなコンセプトに変化しながら、プチ・サイエンスブームはまだ続いています。
世間の注目を集めるという意味では、成果は出ているのかもしれませんが、国費=税金を大量に投入した結果の費用対効果がでているかというと、ここは疑問。
例の如く、こうした国施策のプロジェクトは「5ヵ年計画」が殆どで、東大や北大、早稲田で2005年から始まったプロジェクトは終わり、形を変えて新たにスタートしているところもあるようです。
「5年でなんらかの”成果”をだしなさい」ということがこうした施策の殆どです。
Live!オーロラ。今年で5年目。勿論国費なんか全く入っていません。というか全て自腹。今年はLive!オーロラにとって大きな節目になると思います。民間といえど、ミジンコレベルの小さな企業だけでここまでやりましたよ!っていう成果くらい出してみるぜよと、『いろいろあるからこそ』、僕のモチベーション源の一つでもあります。

さて、プチ・ブームがあると、マスコミ・広告代理店を中心に「集中的なお金稼ぎ」、そして自治体や独立行政法人系の機関でも「”流行の大義名分”を掲げた予算取り合戦」が発生します。表面だけサラリとすくうそれらの内容は、注目を集めることでは大きな成果をだしますが、もともと「科学技術コミュニケーション」というものがなぜ必要かという目的から見ると、国の施策の成果がでているとは、現場にいる僕には感じられません。
いいかげん、大義名分や箱物を作ることだけに国費を費やすのはやめたほうが良いのでは?
というか、そろそろ国費の使い方のコンセプトから変えないと、本当に取り返しがつかなくなると思います。
例えば、殆どが国や自治体運営のプラネタリウム館、日本は約300館でダントツの世界二位。(一位はアメリカの約800館、三位はフランスの約30館)一方で事業実態は・・・。総館数や導入技術等でトップレベルであることの無形の意義は確かにあると思うが、こうした議論がでる訳、そこにコミュニケーションが存在します。
科学技術コミュニケーション(サイエンスコミュニケーション)=啓蒙や「伝える」
ということではありません。
「コミュニケーション」
が一番大切です。わかってもらう姿勢、情熱、努力。そこから対話が始まります。
現場には、こうした施策や体制の中で模索しながら努力している人は少なくない。勿体無いです。

実施報告主体の予算活用ではなく、「市場の創造」に施策と国費を投入してもらいたいところ。良い企業はどんどん伸びていき、市場を活用する市民達は「継続される事業」の恩恵を受ける事ができます。入り口を広げ、不正に対する実施後の監視や処罰を法レベルから対処できる体制作りなどに奔走してもらいたい。

年々、民間・公的機関問わず、僕らの活動への理解や協力を進めていただける団体や方々が増えていることは本当に嬉しく、かつ、責任も重くなってきます。
20代や10代の若者と対話するたびに、今、社会の中心となる世代にいる僕らは、彼らに発せられるメッセージと、混沌とした世情の間で苦悩を続けています。
それでも、継続・実績・市場の創造を長年行なってきた成果がようやく実を結ぼうとしているのかもしれません。
楽しく、夢を持て、普通に幸せな暮らしをしていける社会に。これは究極の目標なのかもしれません。ただもしかすると日本という国は意外と近づいているのかもしれない。
視点をダイナミックに変えると、足元にある原石の価値がわかります。

というわけで、この分野でも僕の中でブレイクスルーが一つずつうまれてきています。
もっと着実に成長して、実行していかねばと、新たに気を引き締めつつ。

さて、NHKはそもそも事業スタイルには僕自身賛否はあるものの、やはりコンテンツ作りは素晴らしいと思います。受賞スピーチでのディレクターさんの言葉でもあったように、コンテンツ制作現場の情熱には同年代の僕にとってもちょっぴり嬉しかったです。
この番組、NHK-BS2で6月30日21:00から再放送されるそうです。
僕もどうにかして観てみたい。

ゆうぞう

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